変形性ひざ関節症

 

トラブルの多くは、関節軟骨の摩耗による「変形性膝関節症」という疾患です。変形性膝関節症は、いきなり激痛が走るわけではなく、気づかないうちに少しずつ進行します。

 

最初に症状がでるのは、「動き始め」。たとえば、朝、目覚めて起きあがるときや、長時間座っていて歩き始めるときなどに、違和感や痛みを生じます。症状が進むと、骨の端のほうにトゲ状の骨棘(こっきょく)が生じたり、関節軟骨がはがれ落ちて骨がむき出しになる部分が出てきて、骨と骨の間が狭まっていきます。

 

さらに、骨同士が直接ぶつかり合うようになり、痛みも激しく、膝の曲げ伸ばしにも支障が生じます。見た目にも関節の変形がわかるほどになり手術が必要になる場合もあります。

 

一般的に中高年の25%~40%が変形性ひざ関節症だといわれていて、だいたい3~4人のうち1人の割合です。変形性膝関節症には、1次性と2次性があり、1次性のものは、これといってはっきりした原因がないのにおきる変形性膝関節症のことです。老化や生活習慣、肥満、0脚、膝の使いすぎなど原因と考えられます。

 

2次性のものは、スポーツ障害、ケガなどの症状に起因するものです。大腿骨と脛骨の断端は、レントゲン写真には写らない関節軟骨で覆われていますので、骨と骨の間にはある程度のすき間があります。しかし変形性膝関節症が進行すると関節軟骨が擦り減り、そのすき間はだんだん狭くなります。